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料理人向け

逸品「食材」

ダチョウ肉はヘルシーで栄養豊富。調理の腕が試される至高の食材のいろは

鳥類の中で最も大きなダチョウ(オーストリッチ)。引き締まった体は脂肪分が少なく、クセのないさっぱりとした味わいと栄養価の高さが特徴です。

ダチョウは捨てるところがない鳥と言われ、内臓も臭みがなく非常においしく食べることができます。様々な部位の違いを味わうことのできるダチョウ肉は、希少価値も高く、創作意欲をかき立てる健康食材としてとても魅力的です。

ダチョウ肉は赤身100%。優れた栄養バランスが魅力の希少な高級食材

ダチョウ肉の最大の特徴は、ヘルシーで栄養価の高いことがあげられます。
ダチョウのモモ肉を他の肉と同じ部位で比較した場合、脂質は鶏肉よりも低く、和牛の約7分の1、豚肉の約4分の1です。カロリーにいたっては和牛(赤身)の約半分というヘルシーさ。

一方、良質なたんぱく質を多く含み、その数値は鶏肉を上回ります。鉄分やミネラル、ビタミンB群も豊富です。

また、脂肪を燃焼させるL-カルニチンや運動機能を向上させるクレアチンといった成分も含んでいるため、美容食や健康食として、近年大きな注目を集めています。

成分一覧

◯ ミネラル・ビタミン

  • カルシウム
  • リン
  • ナトリウム
  • カリウム
  • マグネシウム
  • 亜鉛
  • ビタミンA効力
  • ビタミンB1
  • ビタミンB2
  • ナイアシン
  • ビタミンC

◯ 飽和脂肪酸

  • C14 ミリスチン酸
  • C16 バルミチン酸
  • C18 ステアリン酸
  • C20 アラキジン酸

◯ 一個不飽和脂肪酸

  • C16:1 パルミトレイン酸
  • C18:1 オレイン酸

◯ 多個不飽和脂肪酸

  • C18:2 リノール酸
  • C18:3 リノレン酸

※ 参考:

※ 各脂肪酸の特徴:

※ 栄養価の比率は生産者によって異なります。下記参考サイトをご覧ください:

ダチョウ肉の部位と特徴。適した調理法で様々な美味を堪能する

脂質の少ないダチョウ肉は、火を通しすぎると硬くなってしまいます。
煮込み以外の加熱調理はミディアムレアまでにとどめておくことが重要です。
また、鉄分が多いため、煮込むと特有のクセが生じるので、アクをこまめにしっかり取り除くことも忘れずに。

  • モモ
    ダチョウ肉の大部分を占める部位。肉の繊維はやや粗めで、程よい柔らかさ。刺身からステーキまで幅広い調理法が堪能できますが、さっと炙ってタタキにするのがお勧めです。

  • フィレ
    肉の繊維がモモ肉よりもきめ細かく、モチモチとした上品な口当たり。
    とても柔らかいので、刺身やカルパッチョといった生食はもちろん、ステーキやカツレツ、ローストなどの加熱調理にもお勧めです。

  • ドラム(外モモ)
    筋線維のしっかりした、やや硬めの食感。強い旨味があります。
    ユッケやタルタルなど細かく刻む料理や、煮込み料理にお勧めです。

  • ネック(首)
    骨付きの首肉。コラーゲン豊富で旨味たっぷり。
    スジがほとんどなので、じっくり煮込む必要があります。煮込み料理やスープにお勧め。

  • 砂肝
    最も希少な部位。美しいピンク色でコリコリとした食感が特徴です。
    ダチョウは砂肝もビッグサイズ。そのボリューム感を生かした盛り付けにすると特別感がさらにアップします。
    白い皮を取り除き、刺身やタタキ、焼き物などに。

  • レバー(肝臓)
    クセや臭みは少なく、濃厚な旨味。しっかりと血抜きをしておくことが大切です。刺身やしゃぶしゃぶ、ソテーなどに。

  • ハツ(心臓)
    ぷりっとした歯切れの良さを持ちつつ、それでいて滑らかで柔らかい。独特の食感が大きな魅力の部位です。クセはまったくなく、あっさりとした旨味。刺身やグリルなど、食感を生かした調理に。

保存方法は仕入れ先に確認を

基本的には他の肉同様の保存方法で問題はありませんが、

  • 生食可な水準で出荷していても食中毒が起こる可能性が皆無ではない
  • 開封・解凍の後は衛生管理をされる方の責任で、低温での温度管理をしてできるだけ早めに提供すること
  • 生食用食肉の衛生基準にもとづいての手指器具等の洗浄消毒

など、くれぐれも管理には気をつけて最高の食体験を提供しましょう。


ダチョウ肉の仕入れ先を紹介。通販可能な店舗向けの食肉卸問屋

「クイーンズ・オーストリッチ(Queen’s Ostrich)」

徹底した衛生管理で味と品質を追求した国内屈指のダチョウ肉ブランド。
処理数が多いため、高品質のダチョウ肉を安定して供給できることが強みです。

独自の飼料は新鮮な桑の葉、牧草、小松菜などの無農薬・減農薬野菜が中心。広々とした敷地で自由に走り回りながらストレスなく育ったダチョウの肉は、クセのない最高級の品質です。

屠畜(とちく)の都度、提携牧場で食肉細菌検査を受けており、衛生的な提携食肉処理場にて生食も可能な水準で出荷されていますが、購入後の調理環境等による汚染リスクを考慮し、表面を加熱しての調理を推奨しています。

逸品グルメでの仕入れも可能
クイーンズ・オーストリッチのダチョウのお肉、生ハム、ソーセージは逸品グルメでも仕入れ可能です。さらに、ダチョウの卵も取り扱っております。

逸品グルメ_お取り寄せバナー_ご購入はこちら

鹿屋オーストリッチ(鹿児島産ダチョウ肉)「OSTRICH LAB」

生食を想定し、牛肉・馬肉の生食用食肉の衛生基準、国際衛生管理規格を取得した食肉処理場で屠畜・加工しており、衛生管理が徹底しています。
日本で唯一、ダチョウ肉でオーガニック認証取得。抗生物質やホルモン剤といった薬は一切使用していません。
動物性たんぱく質を含まない乾物中心の飼料と鹿児島のおいしい水でのびのびと育ったダチョウは極上の肉質。
品質の高さはもちろん、ホームページが充実していてとても見やすいのも魅力です。

栃木県・国産ダチョウ肉「小山だちょう園」

孵化から育成まで一貫した衛生・温度・湿度管理が行われており、広大な敷地で放し飼いをされたダチョウたちは、ストレスとは無縁の環境にいます。
抗生剤などを使わず、添加物ゼロの良質な自然素材を食べて健やかに育ったその肉は、安心・安全・高品質です。
リーズナブルな価格設定が非常に魅力的で、生産者直送により、低価格での提供を実現しています。
ショップサイトには表示されていない「レバー」や「ハツ」「砂肝」なども販売されているので、まずは問い合わせてみるのがお勧めです。

さいごに

ダチョウ肉は火を通しすぎると硬くなってしまうことから、生食が好まれる傾向にありますが、牛肉と異なり、生食に関する国の法規制は行われていません。
ダチョウ肉を仕入れる際は、衛生管理の行き届いた信頼できる販売先を選び、
新鮮な肉であっても、保存時や調理工程での二次汚染のリスクがあることを理解しておくことが重要です。
日本のオーストリッチ産業を支えている「日本オーストリッチ協議会JOC (Japan Ostrich Council)」という組織があるので、ダチョウ肉を扱うならば、その品質や安全性についてしっかり確認しておくことをお勧めします。

「JOIN国産ダチョウ肉の安全性について」

参考にしたサイト様

(順不同)


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