西船橋ひらの農園『船橋産ブランド小松菜』人気の秘密!

西船橋駅から徒歩5分。スーパーやマンションに囲まれた街中に現れるのが、「ひらの農園」です。ここ「ひらの農園」で、『船橋産ブランド小松菜』を生産しているのが平野代一(ヒラノシロカズ)さんと、息子さんの平野徹さんです。今、船橋といえば『小松菜』が有名な存在となっています。平野さんの作った『小松菜』を使用した料理や、飲み物(!?)も西船橋周辺にはあるのです。そんな、大人気のひらの農園の『小松菜』の人気の秘密を探るべく、平野代一さんにお話を伺ってきました。

街中に現れる「西船橋ひらの農園」

まず到着して驚いたのが、ビニールハウス一面に広がる『小松菜』たち。見た目だけでも、みずみずしくハリの良さが分かり、綺麗で鮮やかな緑色をしている『小松菜』は、まさに街中の大草原です。そして、『小松菜』独特の香りがハウス一杯に満ちていて、その濃厚な香りがすぐさま、小松菜と油揚げの煮浸しを想像させてくれました。食べたときの香りがすでに満ちているのです。香りだけで、ご飯がすすむ!?ような『小松菜』好きにはたまらない楽園です。
ここ「ひらの農園」の園主平野代一さんは、1957年生まれの今年61歳。約40年間農業に携わっていらっしゃいます。枝豆やトウモロコシ、サツマイモなども季節によって生産されていますが、年間を通しては小松菜を専業とされ、小松菜のブランド化やPRに尽力されています。

ひらの農園園主 平野代一さん

(写真:平野代一さんfacebookより https://www.facebook.com/shirokazu.hirano)

1990年代、大量仕入れ・低価格販売を行うスーパーマーケットなどの大手が台頭することにより、多くの農家は取引に苦しめられてきました。そこで、農作物に付加価値をつける動きが始まり、西船橋で小松菜を扱う16件の農家で“西船橋葉物共販組合”を結成し、小松菜のブランド化がすすめられました。ブランド化のために、生産者全員が“エコファーマー”(土づくり、化学肥料・化学合成農薬の使用低減に一体的に取り組む農業者)の認証を得て、共同の規格作りや、安定して供給できる仕組み作りを行い、安全で安心、高品質な小松菜が作られるようになりました。現在では『船橋産ブランド小松菜』は、東京青果市場でキロ単価が一番高く売れる小松菜になっています。全ては、安心・美味しい小松菜を多くの人に届け、船橋の小松菜はこんなにスゴイんだと言うことを知ってもらうために取り組んだブランド化でしたが、今や船橋の地域活性化にも繋がっている存在となっています。

ひらの農園の小松菜 美味しさの秘密

さて、話は平野さんとの会話に戻ります。ハウスの中でまず、2種類の小松菜の食べ比べをしました。採り立ての小松菜の茎はみずみずしく、糖分も含まれているためか断面から出てくる水分に少しとろみを感じました。茎の方から生でいただきます。…はい、本当にありがちな感想で申し訳ないのですが、「うまっ!甘っ!こんな小松菜は初めて!」です。シャキシャキとした抜群の食感と、口に広がる小松菜独特の濃厚な香りと苦味が鼻を抜け、そして後から甘みがやってきます。2種類の小松菜の味を比べてみると、味の濃さや苦味の程度、香りや甘みに違いがありました。もちろん、どちらもそれぞれの特徴があって美味しいのですが、この違いはどのようにして生まれるのか。そこには、平野さんのこだわりがあったのです。

こだわり その1 ”土づくり”

「ひらの農園」のこだわりは、まず土づくり・肥料にあります。現在肥料の一つとして使用しているのが、“芳源マッシュルーム”さんのマッシュルーム栽培で使われた菌床を利用した有機肥料です。このマッシュルームの菌床はJRAから運ばれた馬の敷き藁堆肥を発酵・殺菌して作られています。この菌床を使用後に高温の蒸気で殺菌し肥料としています。環境にも優しくまだまだ栄養もたっぷりのため、マッシュルームを育て終わった後も美味しい野菜を作ることができます。「マッシュルームが生えてくるんですか?なんて、たまに質問をされるときもあるよ」と、平野さん。しっかり殺菌されているため、やはりマッシュルームは生えてこないそうです。
そして、もう一つ使用している肥料が、アメリカユタ州で採れる、フルボ酸の肥料です。
フルボ酸とは、動植物や魚介類、藻類などが命を終えた後、土中に堆積され、それが数億年もの長い年月をかけ微生物によって繰り返し分解、発酵されてできた腐食土壌に存在する有機酸の一つです。フルボ酸は世界でも限られた場所に微量にしか生産されない貴重な資源であり、土壌中のフルボ酸は植物にミネラルやアミノ酸などの、たくさんの栄養素を補給する役割を行います。そのほか、光合成を活発にさせるなど、健康で質の高い植物を作るのに役立っています。
このような肥料を使用して作られる「ひらの農園」の土ですが、やはり使用する肥料によって小松菜の味が変わってくるようです。
「農園内の場所によって使用する肥料を変えて作っているので、収穫されたとき味の変化の違いが面白い。どの小松菜が料理に最適なのか、実際に味の違いを確かめて、採用する小松菜を選ぶ料理人もいる。」
「農薬の使用をできる限り抑えて、有機質肥料でしっかりと健康的に育った小松菜を、安心して美味しく食べて欲しい。」
このように、食べ比べた2種類の小松菜の味の特徴が違い、またどちらも美味しく食べられたのは、土づくりのこだわりから生まれるものでした。

こだわり その2 ”新鮮さをキープ”

そして、こだわりポイントの2つ目。それは、収穫してから出荷されるまでの工夫にあります。収穫した小松菜は土を落とし、その場で“船橋産ブランドこまつな”と書かれているテープで結ばれます。その際にもできるだけ、触る時間を少なくすことによって傷むのを避け、そして、さらに傷ませないために、こだわりの“結ばない結び方”をします。

写真をご覧ください。これ、結んでいそうで結んでいない。束ねるといえばいいのか。テープの端と端を持ってクルッと一回転、そしてその端を束ねたテープの下に差し込んでいるのです。絶妙な束ね方をしているんです。平野さんは、この束ね方を一瞬でクルッと仕上げていて、見ていて気持ちが良いほどの早技でした。その後、束ねた状態で洗う作業に入ります。

そして、収穫した小松菜は、テープで束ねられるときと、洗うとき以外は、常に立たせた状態で運ばれ、出荷されます。できる限り土で育っていた頃の状態をキープし、全ては新鮮で美味しい状態を保ったまま届けたいという、平野さんの“まごころ”を感じます。
この平野さんの“まごころ”は、船橋の数多くの飲食店に伝わり、小松菜を使用した様々な料理が展開されています。

ひらの農園の小松菜を使用した料理

ラーメン屋の“三代目麺処まるは”さんはラーメンのトッピングに小松菜が使用されています。また追加トッピングもでき、『小松菜のおひたし』もメニューにあります。当初、小松菜の追加トッピングを2つ頼んで別皿で!とオーダーするお客様もいたらしく、そこで誕生したのが『小松菜のおひたし』と言う裏話も聞けました。また、小松菜はハウス栽培と露地栽培の違いによって、茹で時間も異なるそうで、ひらの農園から仕入れる際に、「今日の小松菜はハウス?路地?」のような会話もあるそうです。

(写真:小松菜ハイボールを飲もうの貝facebookよりhttps://www.facebook.com/nomoukai/)
さてさて、小松菜は食べるだけの時代は終わりました。なんと、飲み物が登場しているのです。しかも、お酒!その名も『小松菜ハイボール』!
開発当初は“苦い。あまり美味しくない。”と、苦労されたようですが、研究を重ねること半年。『小松菜ハイボール』は完成しました。小松菜をペースト状にし、シロップや、ウィスキー、レモンが添えられた一杯は、ほんのり甘くてすっきりとした味わい。臭みもなく美味しく飲むことができ、ファンも多いのだとか。そして、なんとなく、何杯飲んでも健康にも良さそうなところがいいですよね笑。今や、西船橋を代表する逸品となっています。駅前の居酒屋さんで取り扱っていますので、西船橋に行かれる際にはぜひお試しください。

(写真:タイ食堂チャンカーオ ホンビノス貝のトムヤム麺(小松菜麺を使用))
また、平野さんは「小松菜パウダー」を開発し、「小松菜パウダー」を使用した商品を開発し、現在では麺やパン、お菓子にも使用されています。

『ひらの農園』・『小松菜』の魅力とは

このように、自慢の作物をただ生産するだけでなく、さらには生産するだけでも年間を通して忙しい中、精力的に船橋を盛り上げてPRして行こうという平野さんの行動力と情熱を感じました。そして、お話をしている間、平野さんは常ににこやかで笑顔が絶えず、そこの空間が和やかで、心が解放されスッと引き込まれるお人柄。これこそが、人を呼び、人を結び、人と繋がっていく、そして今に至る『小松菜』そして『ひらの農園』の魅力の源なのかなと思います。そして、新たな世代によって、これからも益々活性化してく、美味しい『船橋産ブランド小松菜』に大注目です!