
生産農家が手間暇かけた、幻の「栗マロンかぼちゃ」とは?
栗とマロン、名前に“クリ”が2つもついている『栗マロンかぼちゃ』。今、非常に人気が高く、1玉2000円のにもなる高級かぼちゃにもかかわらず、飛ぶよう売れています。
この記事では『栗マロンかぼちゃ』の美味しさの秘密はどこなのか、ご紹介します。
目次
『栗マロンかぼちゃ』とは
栗マロンかぼちゃとは、名前が示すように栗のような甘さと、ホクホクした食感が特徴のかぼちゃです、その糖度はなんと15〜20度。メロンとほとんど変わらない甘さです。
含まれているデンプン量が一般的なかぼちゃに比べて5倍あります。これによってホクホクとした食感と甘みが生まれているのです。
「農家泣かせの種」として知られる、栗マロンかぼちゃは、栽培が難しく収穫量も通常のかぼちゃの半分ほどです。そのため、市場にはあまり出回っておらず、限られたところや通販、デパートなどでしか売られていません。
別名“幻のかぼちゃ”とも呼ばれています。
産地・旬
『栗マロンかぼちゃ』は長崎県と宮崎県の一部、そして北海道の函館近郊部と栗山町だけで生産されています。
旬は6〜7月下旬までは九州産、そして8月〜10月は北海道産となります。
歴史
はじめ、宮崎県の農家が“とても美味しいかぼちゃの種”を手に入れ、生産が始まりました。
しかし、出来上がったかぼちゃは、味は良いものの、サイズが小さい上に、たくさん収穫することができませんでした。
そのような中、北海道夕張郡栗山町にこの“かぼちゃの種”が持ち込まれました。
栗山町では、なんとかして玉のサイズを大きくしようと、栽培の研究と試行錯誤を繰り返しました。その結果、大きなサイズのかぼちゃに出来上がりました。そして誕生したのが『栗マロンかぼちゃ』です。名前の“栗マロン”は栗山町の栗が由来であるといわれています。
『栗マロンかぼちゃ』の徹底したこだわり
土づくり
『栗マロンかぼちゃ』の栽培は、“土作り”から始まります。
魚カスの粉末を土に混ぜることにより、アミノ酸が増え、微生物も活発に働きます。これにより、栄養豊富で力強い土を作ります。
収穫前
通常のかぼちゃのツルに実は6〜10個育ちますが、『栗マロンかぼちゃ』の場合は、高級なメロンを育てるように、1本のツルに繋がるかぼちゃの実を1つだけにして、栄養を集中させます。
さらに、実が日焼けしてしまうのを防ぐために、新聞紙で一つずつ包むこともあります。日に当たらなかった皮の部分が黄色くなった時が収穫のタイミングです。
収穫後
収穫した後は、風通しの良い日陰で10日ほど乾燥させます。
これによって、かぼちゃ内部の余分な水分が蒸発するとともに、かぼちゃ自身が持っている熱が冷め、味や品質が安定し、味に深みが出ます。
その後、出荷されるかというと…そうではありません。
この次に、また2週間寝かせます。これをすることによってかぼちゃに含まれるデンプンが“糖”に変わります。いわゆる“追熟”というものです。
『栗マロンかぼちゃ』はデンプン量が非常に多いので、追熟によりたくさんの糖が作られ、とても甘いかぼちゃに変化するのです。
こうして出荷されるのですが、かぼちゃは熱に弱く、温度が高いと品質が落ちてしまいます。そのため、運ばれるときにも16℃前後に保たれ徹底した温度管理のもと配送されます。
このように徹底的にこだわって作られた『栗マロンかぼちゃ』は、“甘さ”、“ホクホク食感”、“印象の強いコク”が特徴の最強のかぼちゃです。
『栗マロンかぼちゃ』の仕入れ先
Zucca
北海道 栗山町産の栗マロンかぼちゃを購入することが可能です。また、栗マロンかぼちゃを使った、ジャムやペーストなど、スイーツにも使える材料を購入することができます。
うまいもんドットコム
契約農家がプライドを持って作った栗マロンかぼちゃを販売しています。「味が劣るものは売らない」という生産者の強い思いから、質の良いものだけを消費者へ届けることができるよう、努力しています。
結びに
いかがでしたか?幻のかぼちゃとも呼ばれる、栗マロンかぼちゃですが、そこには生産農家が手間暇をかけた時間がありました。
有機栽培や、無農薬栽培などの需要が高まる中、栗マロンかぼちゃはそんな自然志向の消費者ニーズにこたえることができる食材であると考えられます。
料理を通して、野菜のおいしさを伝えてみませんか?