一度食べたら忘れられない特別な味わい。江ノ島の「生しらす」。
シラス漁は、太平洋沿岸の相模湾、駿河湾、伊勢湾、瀬戸内海などで多く漁獲されています。
しらすの産地は全国にたくさんありますが、その中でも関東では湘南地方の江ノ島の「生しらす」が有名なのではないでしょうか。
湘南では江ノ島や鎌倉などの観光をしつつ、新鮮なしらすを味わうことができます。特にその日に水揚げされたしらすは最高です。
今回は、この江ノ島の「生しらす」の旬や秘密を探りたいと思います。
目次
そもそもしらすは何の魚?
身体は透き通り、茹でると白くなるしらす。
釜揚げ、しらす干し、チリメンジャコなど、様々な食べ方のあるしらすは一年中食べられる食材ですが、そもそもしらすとは何の魚なのか、ご存知の方は少ないのではないでしょうか。
しらすはカタクチイワシ、マイワシ、ウナギ、アユ、ニシンなどの、白くて身体に色素がない稚魚の総称を言います。
我々が一般的に普段から食用としているのは、主にカタクチイワシの稚魚。
カタクチイワシは日本で最も漁獲量の多い魚です。
そのためしらすも時期が来ると大量に取ることができ、一年中目にすることができます。
しらすの栄養素
頭から尻尾まで、全身食べられるしらすは、低カロリーで栄養豊富な食品です。
ビタミンDは、カルシウムの吸収を助け、歯や骨の成長や、健康保持に効果があります。
ビタミンB12は、赤血球を生成し、貧血予防に期待できます。
カルシウムは、牛乳の2倍以上のを含み、骨粗しょう症の予防や、ストレスを抑える働きも期待されています。
リンは “骨のミネラル”と言われています。カルシウムとともに、骨や歯を形成します。
DHA、EPAは、どちらも血液をサラサラにします。DNAは脳や神経系の機能を高める働きがあり、記憶力の向上、効果的な学習能力の定着をさせると言われます。
江ノ島ではどのようにしてしらすが収穫されるのか
江ノ島で獲れるしらすの漁場は相模湾で、相模湾内の各漁港で水揚げされます。
相模湾は黒潮の暖流が流れ込みやすいため、水深5〜30mのごく沿岸域にしらすの漁場が作られます。
漁場と水揚げされる場所が近いため、短時間で水揚げができます。また収穫後はすぐに氷で鮮度管理され、鮮度の良い状態を保ったまま保存されます。
江ノ島のしらすの漁獲法
しらすは一般的に船びき網漁という漁獲法により水揚げされます。
この船びき網漁には二艘の漁船で網をひく“二艘びき”と、一艘の船でひく“一艘びき”の二種類があります。
海域の特徴もあり、江ノ島では短時間でしらすにも優しい一艘引き漁獲しています。
生しらすの旬は?
湘南のしらすは旬は、1年に3回あります。
黒潮に乗り沖から入ってくる、春しらす“4〜5月”、 相模湾特有の夏しらす“7月”、沿岸で生まれ育つ秋しらす“10月”。禁漁期間を除くと、ほぼ一年中生しらすを食べることができます。また、時期によってもしらすの味の特徴が変わるので、違いを楽しむこともできそうです。
ただし生しらすは一年中いつでも食べられるというわけではありません。
湘南地方では毎年1月1日〜3月10日、しらすが収穫不可な禁漁期間に入ります。毎年この期間にはしらすとともに“鮎の稚魚”も混ざってしまうため、これを保護する目的で禁漁期間が設けられています。
生しらすはとにかく鮮度が命。
数時間でもすぐに色が変わってしまうので、生では食べられなくなってしまいます。
非常に繊細のため、水揚げされる地域以外ではなかなか食べることができません。このように産地以外ではなかなか食べられないからこそ旬の味は格別となります。
江ノ島で生しらすを食べられるお店と料理
江ノ島亭
創業明治42年の老舗店。江ノ島のしらすが存分に味わえる、しらす三昧定食が楽しめます。
池田丸
地元産の魚を使った料理を提供しています。江ノ島を眺めながら、地元の味を楽しめるとあって人気の高いお店です。
生しらすが通販可能な仕入れ先の紹介
しらす問屋 とびっちょ
鮮度にこだわった生しらすや、専用の窯を使って作られた釜揚げしらすなど、江ノ島自慢のしらすを購入することができます。
豊洲 まぐろ問屋
江ノ島産の生しらすを購入することができます。少量から発注ができるので、ロスが少なく仕入れにも便利です。
結びに
いかがでしたか?江ノ島といえば、生しらす。
新鮮でないと食べられないその味は、一度食べたら忘れられない特別な味です。
新鮮な生しらすは、通販で購入することもできますので、店舗でも新鮮な生しらすを提供してみてはいかがでしょうか?