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春から夏の今が旬!むつ湾産「ホヤ」って何もの??(青森県)

今が旬のホヤ、みなさんは食したことがありますか?最近でこそテレビや雑誌で取り上げられる機会も増え、決して端麗とは言えないあの容姿を目にしたことのある人も増えたことと思います。 今回は宮城県が主産地とされるホヤが、実は青森県むつ湾でも採れることやその違い、豊富な栄養価にわたるまで、広くホヤの魅力についてお伝えしていきます。

ホヤは貝じゃない?

貝のような外見を持つホヤですが、実は「脊索(せきさく)動物門」に属する海産動物の総称で、貝類ではありません。ごつごつしたその外見から「海のパイナップル」ともよばれるホヤですが、生息域は広く世界中に分布しており、日本だけでも百を超える種類が生息していると言われています。その中でも食べられるのは、北海道で採れる「赤ホヤ」と三陸で採れる「真ホヤ」のみで、特に宮城県産で養殖された「真ホヤ」は「ホヤの王様」と呼ばれるほどの珍味とされています。しかしこの「真ホヤ」、実はホタテで有名な青森県むつ湾でも水揚げされるのです。

青森県むつ湾産のホヤ・宮城県産との違い

青森県むつ湾産で水揚げされるホヤは、宮城県産で水揚げされるホヤ同様「真ホヤ」です。では何が違うのかというと、水揚げの時期です。 ホヤの水揚げ時期は4月~8月頃となっており、旬は梅雨明けの頃です。そのため天気と一緒に北上する桜前線のように、ホヤの水揚げ時期もだんだんと北上するのです。宮城県産が全国シェアの約80%を占めるホヤですが、少しでも長い期間食べられるとなると、全国のホヤ好きにはたまりませんね。

走りの大きなホヤと旬の小さなホヤ

春、水揚げが始まってすぐの走りの時期のホヤは、とても大きくて身が厚そうに見えます。しかし実はこの時期のホヤは、まだ身も味も薄く、あの独特の風味を好むホヤ好きの人には物足りない仕上がりと言えます。ホヤを切ったときに出てくる水にも色はなく、中はホヤの排泄物でいっぱいです。 一方で旬を迎えたホヤは、走りの頃とは比べ物にならないほど小ぶりになって、中の身もしまり肉厚になっています。ホヤを切ったときに出てくる水も、ホヤの身と同じような柿色をしていて排泄物も減り、あのホヤ独特の濃厚な甘みを味わうことができます。

新鮮なホヤは臭くない

ホヤが苦手で食べられないという人はたくさんいると思いますが、食べられない理由を聞くと、臭さが原因であることが多いようです。しかし水揚げされたばかりのホヤに臭みはなく、豊かな磯の風味がホヤの独特の甘みを際立たせています。 ではなぜ臭いと感じるのか。それは残念ながら、そのホヤが新鮮ではないからです。流通技術の発達に伴って、産地から遠く離れた場所でも様々なものが手に入るようになった昨今ですが、その便利さの陰に潜む不利益には、私たち一人一人が十分に注意を払わなければなりませんね。

天然のホヤと養殖のホヤ

ホヤには天然物と養殖の二種類があります。

<見た目の違い>

天然のホヤは、ゴツゴツとした突起が表面全体に広がり、まるで恐竜の皮膚を想像させるような見た目をしています。それに対して養殖のホヤは平面的でスマートで、入水孔と出水孔の突起以外には、ほぼ目立った凹凸は見られません。

<味の違い>

ホヤを始めて食べる人にどちらをお勧めするかと言われれば、断然養殖のホヤをお勧めします。旬を迎えた養殖のホヤは、ぷりぷりとした肉厚な食感に濃厚な甘みが特徴であるのに対して、天然物のそれはシャキシャキとした歯ごたえと、豊かな磯の香りが特徴です。もちろん天然物の方が好きだという人もたくさんいますが、ビギナーには養殖物の方が食べやすいように感じられます。

<価格>

気になる価格ですが、天然物のホヤは養殖のホヤの約3倍のお値段で出回っていることが多いです。

ホヤのさばき方

殻付きのホヤは、頭の方に乾電池の+極のような突起が2つか3つ付いています。その突起の表面をよく見ると、まさに電池の「+」と「-」のようになっており、これがそれぞれホヤの入水孔と出水孔です。 ①軽く水洗いしたホヤの、+突起の根元にやさしく切り目を入れます。このときの注意点ですが、ホヤを持つ手に力を入たり、包丁を勢いよく突き刺したりないようにしましょう。中の水が勢いよく噴き出して、そこいら中に磯の香りが広がってしまいます。 ②切った突起の根元から優しく水を絞り出したら、ホヤの頭のてっぺんから下の方に向かって包丁を入れます。より濃厚な風味を味わい人は、この時絞り出した水を少し取っておき、水物や酢の物に調理するときに混ぜてもよいでしょう。さらに絞り出した水と一緒に、黒い糸のようなものが出て来ることがありますが、それがホヤの排泄物です。 ③切り目の内側に見える黄色い部分がホヤの身の部分となるので、この黄色い部分と殻の間に指を入れるようにして身を殻からはがし、引っ張り出します。 ④引っ張り出した身の内側に、黒いワタと茶色いワタがあるので、包丁でそぎ落とすようにして取り除きます。軽く水洗いして食べやすい大きさに切ったら、完成です。

ホヤの食べ方

新鮮なホヤは生で食べることが一般的で、刺身や酢の物、キュウリや山菜の「ミズ」と一緒につくる水物としていただきます。 そのほかに火を通して作る料理としては、酒蒸しやバター炒め、ホヤご飯や田楽、炒め物などがあります。

ホヤの栄養価

独特の風味があり、苦手な人は絶対に食べられないというホヤですが、実は高い栄養価が豊富に含まれています。 低カロリー…100gで30kcal プラズマローゲン…アルツハイマー対策として注目されている タウリン…肝臓の解毒能力を強化、血中コレステロールや中性脂肪の減少など オメガ3脂肪酸…嬉しい効果がいっぱいの、不足しがちな必須脂肪酸 鉄分…貧血になりがちな女性に不可欠 グリコーゲン・ビタミンB12…ガンの抑制効果が期待される EPA…血液サラサラ効果 以上はごく一部の栄養価で、この他にもDHAや亜鉛など、現代人に不足しがちなたくさんの栄養価が含まれています。

青森県むつ湾産ホヤを食べられる場所

居酒屋…水揚げされる時期に産地に行けば、大抵どこの居酒屋でも提供されています。 スーパー…鮮魚コーナーには、氷の上に並べられた殻付きのものや、すぐ食べられるように加工されたものが並んでいます。 ネット通販…殻付きの状態で買うことができるので、前項でご紹介した作り方を参考に調理してみてくださいね。