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食材紹介

美しい虹色の殻!ホタテよりも濃厚な味わいの「緋扇貝(ひおうぎがい)」とは?

カラフルな色合いの貝殻が特徴の「緋扇貝(ひおうぎがい)」。その見た目の美しさから、お歳暮や正月用としても人気のある貝です。料理に使いやすく、アレンジも多彩なので、ぜひ活用してみてください。

ここでは、緋扇貝の産地や特徴、鮮やかな色の理由、栄養、保存方法、下処理、おすすめレシピ、仕入れ先について紹介していきます。

緋扇貝とは?

緋扇貝は、イタヤガイ科の二枚貝で、ホタテやイタヤガイなどと同じ種類の貝です。天然物は少なく、流通しているものは養殖のものが多くなっています。地域によって呼び名が異なり、「長太郎貝」「虹色貝」「パタパタ貝」「アッパ貝」「バタバタ」など、さまざまです。

また、食べた後は、貝殻をスチールタワシなどで磨いて、食器や小物入れなどのインテリアにすることもできるため、お店に美しい彩りを与えてくれるでしょう。以下では、緋扇貝の産地や特徴、貝殻が色鮮やかな理由、旬の時期を紹介していきます。

西日本限定!緋扇貝の産地

緋扇貝は、房総半島から南の沿岸、20メートルより浅い岩礁域に生息する貝です。主な産地は、愛媛県愛南町や三重県志摩、熊本県天草、大分県佐伯市、島根県隠岐など。西日本でだけ、養殖できる貝です。

緋扇貝の特徴

緋扇貝の最大の特徴は、なんといっても鮮やかな色をした貝殻。人工的に着色したわけではなく、全て自然が生み出す天然色です。明るい黄色やオレンジ、紫、赤などさまざまな色があり、橙:7・赤:1・黄:1・紫:1の割合でうまれるとされています。

むき身にすると、見分けがつかないほどホタテによく似ていますが、ホタテよりはやや小振りな大きさです。しかしながら、ホタテに比べ、味が濃く、強い甘味と貝柱の弾力を感じます。

また緋扇貝は、ホタテのように殻の開閉によって移動ができません。そのため、身を守るためには強固に殻を閉じるしかなく、筋繊維の強い弾力ある貝柱になるのです。

さらに、緋扇貝は非常にデリケートな貝としても知られています。海の外では約一日ほどしか生きられず、遠くの市場に出荷が難しい貝です。

緋扇貝の貝殻が色鮮やかな理由とは?

色鮮やかな殻を持つ緋扇貝ですが、実は天然物の貝殻は茶色をしています。人工的に着色しているわけではありませんが、色の良い個体同士を掛け合わせて、遺伝子による色素定着を行っているのです。

なぜ、鮮やかな色彩になるのかについては、貝殻に関しての研究が少ないため、実はまだよくわかっていません。現段階では、えさとなるプランクトンが影響している、という説が有力です。

緋扇貝の旬の時期

緋扇貝の旬は、水温が下がる10月から5月の晩秋から春にかけてで、産卵期の4月がとくにおすすめです。逆に6月〜9月は、水温が高く、卵がない上に、身が痩せており、貝毒がある可能性もあるため、おすすめできません。

緋扇貝の栄養や効能

緋扇貝は、タウリン・たんぱく質・カルシウム・ビタミンA・ビタミンE・ビタミンB12・ミネラル・亜鉛などたくさんの栄養が含まれています。タウリンは、脳や目の動きを活発にしたり、疲労回復・免疫力向上、肥満改善などに効果的です。

また亜鉛は、たんぱく質の代謝を促進させる働きがあり、味覚を正常に保つ効果もあります。さらに、不足すると悪性貧血や倦怠感が起こるビタミンB12も豊富に含まれているため、日々の健康維持にも一役買ってくれるでしょう。

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おいしい緋扇貝の選び方

緋扇貝は、それぞれ貝殻の色が異なりますが、味に変わりはありません。

基本的には、一個単位で好きなものを選ぶというのは難しいかもしれませんが、目利きする時には「しっかり生きている」「触って強く閉じようとする」「貝柱が太い」ものがおすすめです。口が開いているかどうかは、あまり気にしなくてよいでしょう。

3日間は冷蔵可能!緋扇貝の保存方法

緋扇貝は、生ものであるため、基本的にはその日のうちに、すぐ調理するのが理想です。保存する場合は、急速冷凍するのがおすすめですが、冷蔵庫でも保存することができます。水揚日を含め2〜3日は、生の状態での保存も可能です。

しかし、3日以上保存する場合は、身を貝からはずし、茹でる・蒸すなどの加熱処理をしてから、容器やラップをして冷凍で保存するようにしてください。

ホタテと同様!緋扇貝のさばき方

緋扇貝の捌き方は、ホタテと同様のやり方で行うことができます。専用の貝剥きナイフを使うのが理想的ですが、洋食ナイフでも可能です。さばく際には、怪我を防止するために手袋を着用しましょう。

・蝶つがいの短い方を手前にして持つ
・ナイフなどを殻に沿って差し込み、貝柱を外し、上の貝殻を外す
・外套膜(ひも)をゆっくり引っ張ってはずす
・内臓の黒い部分を持って、貝柱の上を通ってゆっくりと手前に引っ張る
・最後に貝柱を外して完成

緋扇貝は、肝(ウロ)を除けば全て食べることができます。加熱する場合には、肝も一緒に食べることはありますが、貝毒が溜まる部位のため、一般的には食べないことのほうが多いでしょう。

また、多少火が入っても良いという場合は、湯にくぐらせる方法もおすすめです。貝が浸るくらいの湯を沸かして数秒入れ、口が開いたと同時に取り出し、冷水で冷やします。こうすることで、より簡単に処理することも可能です。

緋扇貝のおすすめレシピ・料理法

緋扇貝は、生でも加熱でもおいしく食べられる貝です。貝殻の色合いも美しいので、料理の器としてそのまま使うのもよいでしょう。以下では、レンジ酒蒸し・しぐれ煮・グラタンの3つのレシピを紹介します。

簡単調理!緋扇貝のレンジ酒蒸し

お皿にのせてチンするだけの簡単調理です。お皿にのせれば、旨味のスープがこぼれることもありません。身がふっくらと出来上がるので、簡単においしく作ることができます。

貝の旨味が溢れる!緋扇貝のしぐれ煮

貝の旨味と潮の香りがたまらない逸品です。ごはんやお酒のおつまみにもよく合うので、どんどん色が進みます。

ホワイトソースと相性抜群!緋扇貝のグラタン

相性抜群なホワイトソースと絡み、濃厚な美味しさを味わうことができます。鮮やかな貝殻に、ホワイトソースの白という組み合わせも、華やかな見た目になり、気分が上がることでしょう。

緋扇貝の販売元や仕入先

緋扇貝は、西日本に生息する貝ですが、通販を利用することで、全国各地どこでも食べることができます。以下では、浜﨑水産・おんせん県おおいたの2つの通販サイトを紹介します。

浜﨑水産

※参照元:浜﨑水産

熊本県天草の岩かき、緋扇貝を扱う浜﨑水産は、直売店ならではのリーズナブルさが魅力です。平成19年に緋扇貝を、平成20年に岩かきの養殖と販売を開始しています。

おんせん県おおいた

※参照元:おんせん県おおいた

おんせん県おおいたは、大分県からの委託を受けた大木化粧品株式会社が運営をしている通販サイトです。「豊の国・大分県」の特産品を扱っており、緋扇貝は、大分県佐伯市蒲江産のものを販売しています。

結びに

カラフルな色合いの貝殻が美しい緋扇貝は、刺身でも加熱調理でもおいしくいただける貝です。ホタテより味が濃いのも特徴なので、より濃厚な味わいの貝を取り入れたいという時にもおすすめとなっています。

また、食べた後の貝殻は、料理の器や装飾としても活用できるので、楽しみ方が多彩なのも嬉しいポイントです。通販でも販売されているので、ぜひ、手に入れて料理に活用してみてください。

<参考サイト様>


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