食材紹介
手長エビは洋食/和食を選ばない高級品。レシピや調理法、国産の仕入先をご紹介
「川エビ」の愛称でも知られる「手長エビ」。甘みのある身はその味だけでなく、栄養でも優れた一面をもつ食材です。手長エビそのものの味が楽しめる素揚げから、かき揚げやパスタなど、幅広いメニューに活用できます。 今回は手長エビの特徴や栄養価、下処理に購入方法についてまとめてみたのでぜひご覧ください。
目次
手長エビとは?
特徴
手長エビ(和名:テナガエビ)は、テナガエビ科テナガエビ属に分類されるエビの総称。温暖な地域に川に生息しており、一般的に「川エビ」とも呼ばれます。手長エビの名前が示すようにハサミが長いのが特徴で、体長よりも長くなる種類もいます。
体長は種類によって3~20cmほどで、若いうちは半透明な体が成長するにつれ緑(灰)褐色になります。寿命は環境にもよりますが1~3年ほどで、オスのほうが長生きします。
産地
手長エビは河口の汽水域(淡水と海水が混ざった水域)から中流域、湖沼など幅広い淡水域に生息していて、高知県・四万十川流域、茨城県・霞ケ浦などが主な産地として挙げられます。6~9月の夏場が旬の季節で、釣りのターゲットとしても人気です。外国産では主に東南アジア産のオニテナガエビが人気でしたが、平成28年の水産資源保護法施行規則改正により輸入が難しくなり取り扱いは減少傾向です。
手長エビの栄養価と効能
手長エビはその味だけではなく、栄養面でも優れています。エビ類全般としてたんぱく質やカルシウム、抗酸化作用を持つといわれるビタミンEを多く含んでいて、脂質が少ないのも特徴です。さらに、テナガエビはEPA、DHA、カルシウムが他のエビ類よりも多く含まれています。
EPA(エイコサペンタエン酸)は、悪玉コレステロール(LDL)と中性脂肪を下げて血流の改善や高血圧の予防に、DHA(ドコサヘキサエン酸)は脳を中心とした神経組織に含まれる必須脂肪酸の一つで、学習能力や記憶力を向上させ、アルツハイマー型認知症に対する効果があるといわれています。
手長エビの下処理方法と捌き方
手長エビは種類や成長過程で大きさにばらつきがあります。小さいものは特に下処理は必要なく、購入したものや冷凍されているものはそのまま調理ができるのがほとんどです。ここでは体長10cmほどまで成長した大きめの手長エビを釣ってきた場合の下処理方法と捌き方を紹介します。
下処理
釣った場所がきれいな川ならそのままでも食べられますが、水質汚濁に強い手長エビは汚れた泥を体内にため込んでいることがあり、泥抜き処理をするのがおすすめです。
釣って帰宅したらまず水を入れ替えます。その後、6~12時間ごとに水の入れ替えを2、3回、多くても5回ほど行います。時間がたっても水が汚れなくなったら泥抜き完了の目安です。基本的に水道水で問題ありませんが、数が多い場合はエアーポンプで空気を供給してあげましょう。
捌き方
1.調理酒を入れたボウルに生きたままの手長エビを投入します。料理酒は手長エビが浸るくらい多めに入れ、蓋かラップをして飛び出ないようにします。
2.酒を吸っておとなしくなったら取り出し、粗塩を振り表面の汚れやコケを落とします。このとき、手長エビの突起でけがをしないよう、ザルで振るとよいでしょう。
3.流水で洗って塩を汚れを落としたら、ペーパータオルなどで水気をふき取ります。
(以降は調理法によっては省略しても大丈夫です)
4.しっぽの部分にあるトゲに水が溜まります。油で揚げる場合は弾けるので折っておきます。
5.手長エビの腰の曲がっている部分を反対側に折ると、仕上がりがまっすぐになり見栄えがよくなります。
手長エビを使ったレシピ
- 唐揚げ
手長エビの定番の調理方法は素揚げです。下処理して水気をよく切った手長エビに片栗粉をまぶし、160~180度の油で揚げます。余分な油を落とし、お皿に盛り付け塩を振ったら完成。シンプルながら手長エビの旨みを堪能できる一品です。
- かき揚げ
小さな手長エビの場合はかき揚げがおすすめです。水気を切った手長エビと薄めのくし型に切った玉ねぎをてんぷら粉(薄力粉、片栗粉、卵、水、塩等)で合わせ、170~180度の油で揚げます。油を切ったら塩や天つゆなどでいただきます。そのままでも、そばやごはんと組み合わせても絶品です。
その他、五香粉(ウーシャンフェン)を使ったスパイシー炒めやトマトソースで煮込んだパスタなど、和洋中いずれの調理方法でもおいしくいただけます。
手長エビの販売店・通販可能な仕入れ先の紹介
有限会社 丸一横山商店
高知県・仁淀川で獲れた天然の手長エビを販売しています。冷凍して仮死状態となった手長エビは鮮度抜群です。なお天然物のため購入できない場合もあります。
アシストラボ
オニテナガエビ(ブランド名「美神えび」)を購入できます。台湾の養殖業者と提携し、厳しい検疫をクリアしたオニテナガエビは、甘みのある大きな身とコクのあるミソでアジアのエビの王様ともいわれます。
http://assistlabo.com/onitenagaebi
結びに
手長エビは味もよく栄養価にも優れた食材です。調理方法もさまざまで、和洋中どんな料理にも合う万能さも見逃せません。さらに釣りまで楽しめて、一尾で何役もこなせてしまう手長エビ。
<参考サイト>
・テナガエビの栄養成分と効能・健康効果|ナチュラルフードライフ 〜パワー溢れる体作り〜 |マイティ
・ヒラテテナガエビの捕まえ方(イラスト付き)・捌き方・食べ方|丸ごと揚げる超美味しいレシピ | ガリオの地球飯