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淡路島の恵み『沼島の鱧』。柔らかい皮、ふっくらした身…一度は食べたい絶品料理

実は8月3日は“鱧の日”。

8月3日を日本語読みすると“8(ハ)3(ミ)”となり、これを文字って“ハモ”とよんだことから、8月3日が“鱧の日”となったそうです。

関西ではメジャーな魚になっている鱧(ハモ)は、関西の夏の味覚とも言われています。

そんな、鱧ですが、一体どのような魚なのでしょうか。

鱧ってどんな魚なの?

鱧(ハモ)は見た目はウナギや穴子と似た、ウナギ目ハモ科に分類される魚です。

西太平洋やインド洋などの熱帯・温帯域に分布しており、日本では紀伊半島より南の沿岸部の暖かい海に生息しています。

小魚やカニ、エビなどの甲殻類、イカやタコなどの頭足類を捕食する肉食性で、口は目の後ろまで裂けていて、顎には鋭い犬歯のような歯がずらっと並んでいます。

水深100m程までの沿岸域で、昼は岩や砂の隙間に潜っていてほとんど動かず、夜になると海底を泳いで餌を探します。

鱧(ハモ)というその名前の由来は漁で獲れた際に大きな口と鋭い歯で噛み付いてくるほど元気が良いというところから生まれたとも言われています。(※諸説あり。その他の一説によると“よく噛み付く=食む(はむ)”というところからその名がついたとも言われている。)

鱧が関西でメジャーになった理由とは?

鱧の歴史は安土桃山時代まで遡ります。

江戸時代に書かれた書物によると、当時内陸部の京都は交通機関が発達しておらず、また保冷手段も乏しかったため、新鮮な魚を仕入れ、かつ生きたまま運ぶことのできる魚はほとんどなく、届けることは非常に困難でした。

しかしそんな中、頭と胴体を切り離しても噛み付いてくるほど生命力の強い鱧は、夏の暑い時期や兵庫から遠く離れた京都や大阪まで生きたまま持ってくることができました。

こういった背景から現在にわたって関西を中心に発展したといわれています。(関東では様々な魚も多く獲れ、わざわざ小骨の多い鱧を食べなくてもよかったことから、そこまで普及しなかったのではないかと言われています。)

鱧の旬の時期

鱧は生命力が非常に強く、1年を通して食べることができますが、中でも脂の乗りが良くなる初夏頃が旬となります。

しかし産卵後に食欲を増している“なごり鱧”、“落ち鱧”と呼ばれている鱧も食べ頃の季節とも言われています。

鱧の調理法といえば「骨切り」

鱧は小骨が多い上に身も硬く、調理の際には“骨切り”という作業が必要です。

“骨切り”とは腹から開いた鱧の身を皮を切らないように細かな切り込みを入れて、小骨を切断していく作業です。

下手に骨切りをすると、身が細かく潰れミンチ状になってしまい味や食感が落ちてしまいます。

この作業には長年にわたる”技”と”勘”が必要で、一寸(3cm)につき26筋の包丁の刃を入れられるようになれば一人前と言われています。

関西以外ではこの骨切りができる調理人も少ないため、ウナギやアナゴに比べ需要や知名度も低く、あまり普及していない理由の1つともなっています。

鱧なら淡路島の沼島鱧

日本古代から平安時代まで御食国(みけつくに)として皇室や朝廷に数々の海産物や食材を納めてきた淡路国(淡路島)。

この淡路島を代表し、夏を代表する高級ブランドとして有名なのが『沼島の鱧』(ぬしまのはも)です。

沼島(ぬしま)は淡路島の南に浮かぶ島です。

淡路島南あわじ市の沼島近海で漁獲される鱧は骨や皮が柔らかく、甘みと深い旨みがあり、大阪や京都の料亭などで“鱧なら淡路島の沼島鱧”と言われるほど高級品として扱われています。

なぜ沼島の鱧の評価が高いのか、それは鱧が育つ沼島の海の環境にあります。

先述した通り、鱧は普段砂や泥の中に身を潜めています。沼島のきめ細やかな泥質に包まれるため、柔らかい皮をもった鱧に育ちます。

また沼島沖は潮流が早く流れる地形をしているため、新鮮な海水が供給され、エサとなる小魚や甲殻類が多数生息している環境です。

たくさんの栄養を蓄えるとともにふっくらとした身に仕上がります。

淡路島の沼島鱧の味の特徴

このような恵まれた環境の中で育つ鱧は良質なタンパク質や、肌の老化を抑え、皮膚や軟骨の弾力を保つコンドロイチンやコラーゲンを豊富に含んでいます。

疲労回復や体力向上、免疫力向上にも期待ができるため、体の内側も外側も美しくなる食材といえます。

鱧料理といえば湯引きをした鱧を梅肉で食べるのが有名ですが、“沼島の鱧”はクセがなく淡白で、皮も薄くふっくらとした身なので料理の幅が広いと言われています。

焼いても、天ぷらでも、吸い物でも楽しむことができ、沼島では淡路島の特産のタマネギと鱧を醤油ベースのだしで炊いた“鱧すき鍋”が人気です。


鱧を使った料理/食べられるお店

京料理 およね

90年余り受け継がれた、伝統の京料理を一つ一つじっくりと時間をかけて作り上げています。こちらのお店では、新鮮な鱧のおとしを食べることができます。

木村屋

淡路島に店を構える、木村屋。沼島産の鱧のみを使用した、鱧すきは「元祖鱧料理」として、木村屋が提供し続けてきた料理です。

鱧を通販可能な仕入れ元

のぞみ 水産加工

当日水揚げされた新鮮な鱧を、加工し発送しています。時期によっては冷凍して配送する場合もあります。骨切りしてあるので、到着後すぐに調理することができます。

竹友水産

注文を受けてから、加工を施し発送しています。最高の状態で商品をお届けするため、こだわりをもって営業しています。

結びに

いかがでしたか?

淡白な中に深い味わいを持ち、栄養価も高く健康や美容にも良いとされている夏のご馳走“沼島の鱧”。関東ではあまり食べる機会がありませんが、関西では夏のご馳走として親しまれてきました。

新鮮な鱧を仕入れることも可能ですので、関東圏でもぜひ、鱧の魅力を発信してみてはいかがでしょうか?


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