FOLLOW US

逸品「食材」

こんにゃくは先人の知恵が詰まった食材。その魅力を再発見します。


和食によく使わるこんにゃくは、日本人には馴染み深い食材です。しかし、日常的に食べているけれど知らないことも多いのではないでしょうか?

この記事では、こんにゃくの歴史、産地、収穫時期やその特徴、美味しいこんにゃく料理が食べられるおすすめのお店などこんにゃくの魅力が再発見できる内容をご紹介します。

こんにゃく芋の産地と収穫時期

産地

日本のこんにゃく芋は、主に北関東で作られています。
国内生産量の89.5%が群馬県、4.1%が栃木県、1.7%が茨木県です。

こんにゃくの歴史は古く、6世紀の仏教伝来とともに中国から伝わったといわれています。
その後コンニャク芋は種芋が紀州から関東に伝わりました。特に、日当たりの悪い山間の土壌、からっ風、きれいな水源といったこんにゃく作りに最適な環境が揃っていた群馬県では、こんにゃくの生産が盛んになったといわれています。

今では輸入元である中国と日本のこんにゃくはかなり異なるものとなっています。
中国料理ではこんにゃくは多様されておらず、雲南や四川の一部で食べられているこんにゃくは豆腐のような食感の食材だといわれています。
つまり、あのぷりんとした歯ごたえのある食感を楽しめるこんにゃくは日本オリジナルなのです。

収穫時期

広々とした畑で行われるこんにゃく芋の収穫時期は、10月から11月にかけてです。

収穫されるこんにゃく芋はすべて、植えてから3年以内のもの。

4年以上作付けされてしまうと、ところどころ紫がかったエビ茶色の変わった形の花が咲きます。この花が咲いてしまうと、芋に臭みが出てしまい、食品として使いにくくなってしまうといわれています。

ほとんど無味に近いこんにゃくは、こんにゃく農家の人々の知恵なのです。

こんにゃくの作り方

収穫されたこんにゃく芋は、完全に乾燥させてから粉状にし、出来た粉をお湯にといて石灰水を加えることで凝固させます。

こうして独自の食感を楽しめるこんにゃくが出来上がります。

白滝は、こんにゃくと同様の製造過程を経て、最後にところてん方式で押し出すことで麺状になります。“糸こんにゃく”ともいわれる白滝は、形の違うこんにゃくです。


こんにゃくの3つの特徴

①低カロリー

ダイエット食材としても知られるこんにゃく。なんといってもその特徴は、カロリーの低さです。
普通市販されている300gのこんにゃくは、一枚で21kcal程度です。

同じくヘルシー食材としてあげられるもやしは同グラムで約42kcal、豆腐は170kcalですから、比較しても断トツの低カロリー食材であることがわかります。
カロリーと関係のなさそうなおでんにつけるからしや刺身こんにゃくにつける酢味噌のほうがこんにゃくよりカロリーが高いほど。こんにゃくは驚くべき低カロリー食材なのです。

こうした低カロリーがヘルシー志向を目指す欧米でうけ、最近では健康食として白滝がパスタの代わりに用いられたり、サラダに使われたりしています。 また、お腹いっぱい美味しく食べても太りにくいと話題なのがごはんに混ぜ込む「こんにゃく米」。混ぜ込む割合次第で、カロリーを落とすことができます。普通に混ぜた場合でも、同じ1杯分の白米に比べ、36%程度カロリーを抑えることができます。

②整腸効果

こんにゃくがスーパーヘルシー食材であり、ダイエットに向いている秘密は、単に低カロリーであることに限りません。

こんにゃくのすごさは、その整腸作用にあります。
出来上がったこんにゃくは95%以上が水分で、残りがグルコマンナンという多糖体で構成されます。グルコマナンは胃や小腸では全く消化されず、大腸の中で初めて腸内細菌の働きで分解されます。大腸内の有用細菌を養って整腸効果を高めると同時に、その繊維質が大腸内の老廃物を吸収して排泄してくれます。

一部の地方で言われている「こんにゃくでおなかの砂を払う」という表現は、こんにゃくのこの整腸作用に由来しています。この効果は医療が発達していなかった時代から知られており、こんにゃくはお寺の精進料理の材料になるとともに、薬用食品としても珍重されていました。

③安定した価格&味

こんにゃくの価格は、安定しているため、仕入れやすい食材です。保存がきくので廃棄率も少なく、コストがあまりかからない食材といえます。

また、こんにゃくは無味のため、調味しやすくさまざまな食材と合わせることも可能です。和食のみならず、洋食や中華に使うことができます。

こんにゃくを使った料理が楽しめるお店

①「こんにゃくパーク」のバイキング


こんにゃくを美味しく楽しめておすすめなのが「こんにゃくパーク」で楽しめるバイキングです。

こんにゃくのバイキングは、なんと無料。バイキングでは、こんにゃくの様々なアレンジ料理やデザートを楽しめます。

「こんにゃくパーク」では、その他館内でこんにゃくの製造工程の見学や、こんにゃく作りの体験ができます。

②「常盤館」のこんにゃく尽くし


もう少し落ち着いてこんにゃく料理を楽しんでみたいという方には、「常盤館」がおすすめです。
「常盤館」は、木材、繭、こんにゃくなどの取次で下仁田を往来する商人たちの宿として大正元年に創業された老舗旅館。画家・竹久夢二のお気に入りの宿としても有名です。

こんにゃくつくしのメニューを挙げてみますと、次のようなものが楽しめます。
*刺身
*みそ田楽
*酒盗和え
*白和え
*そうめん
*いりとり(鶏もも肉とともに、照り焼きにしたこんにゃく)

③「丹野こんにゃく番所」のこんにゃく懐石


山形県へ出かけた時にはぜひ試していただきたいのが、「丹野こんにゃく番所」のこんにゃく懐石です。
メニューは次のようなものが楽しめます。
*黒豆こんにゃく
*牛肉巻きこんにゃく
*アワビ見立てこんにゃく
*さらし鯨こんにゃく
*こんにゃく秋月蒸し
*水雲こんにゃく
*こんにゃくそうめん雪
*こんにゃく蕎麦、こんにゃく粥

こんにゃくの仕入れ先

食彩ネット

用途に合わせたこんにゃくを仕入れることができます。おでん用や煮物用にカットされているため、厨房ですぐに使うことができます。

中尾食品工業株式会社

こんにゃく本来のおいしさを探求している会社です。ここで販売されている「菊松こんにゃく」は、えぐみや臭みが少なく、生で食べることができるのが特徴です。

結びに

こんにゃくはとてもなじみ深い食材ですが、知らないことも多くありました。

和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたことで、世界から、日本の食事について注目が集まっています。こんにゃくもその一つです。
現在は、世界中の人々がヘルシーフードとしてこんにゃくを食べています。

メイドインジャパンの食材として、ますます注目されることが期待されるこんにゃく。ぜひ、自店舗でも世界が注目する食材を使ったメニューを提供してみてはいかがでしょうか?


関連記事Pickup