桜えび
日本で桜エビ漁ができるのは1か所だけ!旬の時期は?
淡いピンク色の体が美しい桜エビは、海の宝石にも例えられます。日本で桜エビの生育が確認されているのは、駿河湾、東京湾、相模湾です。この中で漁の許可が与えられているのは、じつは1つの湾だけ。桜エビは鮮度が落ちやすく、生の桜エビを食べたい場合は、桜エビ漁を行なっている漁港近くへ行く必要があります。桜エビ漁を行なっている地域と、旬の時期を探っていきます。
桜エビ漁ができる場所
日本産の桜エビは、全て静岡県の駿河湾で捕れたものです。駿河湾は水深2,500mの、日本で1番深い湾。富士山に降った雨や雪解け水が地下に染み込み、湧き水となって駿河湾へ流れ込みます。豊かな湧き水は、プランクトンや生き物を育み、豊かな漁場となっていますよ。桜エビのエサは、主にプランクトンです。そのため、駿河湾は桜エビの良い生育場所となっています。日本で桜エビは、駿河湾以外でも生息が確認されていますが、桜エビの漁業許可が与えられているのは、駿河湾に面した由比(ゆい)、大井川、蒲原(かんばら)の120隻の漁船のみです。
桜エビ漁の特色
桜エビ漁は、120隻の漁船が協力して網を引き、水揚げ金額を漁船ごとに割り振るプール制を行なっています。また、漁をする前に桜エビの調査をして、十分に成長しているかなどを確認します。このような方式を行なう理由は、桜エビ漁を持続的に行うためです。桜エビは成長しても体長が4cmほどの小さなエビ。寿命は約15カ月です。孵化してから2~3カ月で体長が2cmになり、網にかかるようになります。そのため、漁獲量を調整せずに漁を行なうと、すぐに桜エビはいなくなってしまうのです。そのほかにも、プール制を行なうことで、漁船同士の競争を無くし、捕りすぎを防いでいます。
「桜えび」の旬の時期
漁の時期は、3月中旬~6月初旬、10月下旬~12月下旬の年に2回。6月中旬~9月下旬の産卵期を避けて行なわれています。毎年同じ日に漁が解禁される訳ではなく、桜エビの生育によって時期を判断するのだそう。2018年の春は、不漁だったため、早めに終了されました。生の桜エビを楽しめる旬の時期は、漁が行なわれる春と秋になります。水揚げされる漁港では、桜エビを味わいたい人でにぎわいます。
新鮮なうちに加工
網にかかった桜エビは、大きなホースで吸い取って素早く箱に詰められます。桜エビは傷がつきやすく、鮮度も落ちやすいためです。漁港についたら、すぐに冷凍されたり、天日干ししたりして加工されます。冷凍加工された桜エビは、解凍すると生の桜エビに近い味わいで、お刺身やかき揚げなどにして食べます。乾燥桜エビは、水で戻して和え物などに使われますよ。桜エビが天日干しされている姿は、旬の時期の風物詩にもなっています。
まとめ
桜エビの旬は、春と秋です。漁の許可が与えられているのは、駿河湾の漁船のみ。海の宝石と呼ばれる桜エビを守るために、漁の時期が決められます。桜エビは鮮度が落ちやすいため、新鮮なものを味わいたい場合は、駿河湾の漁港を訪れてみませんか?