国産「生ハム」工房セラーノ。尾島 博さんの作る無添加・日本の「生ハム」
無添加・国産の生ハム
生ハムの歴史は古く、人間が火を使えるようになった頃から、肉を塩漬けにして保存食として食べてきました。近年の日本では、イタリアのプロシュート、スペインのハモンセラーノなど、有名な生ハムをカジュアルに楽しめるようになっています。
生ハムで有名な、ドングリを食べて育つ、イベリコ豚も日本でメジャーになりましたが、年間100万頭程の生産量で、今でも貴重で高価な品種です。
そんな一般的になってきた「生ハム」は、多くのものが防腐剤や発色剤などが注入されているそうです。もちろん美味しいのですが、出来れば添加物なしの豚肉と塩のみで作られた本物の生ハムを食べたいですよね。
尾島博さんの作る『セラーノの生ハム』
今回ご紹介するのは、国産の豚と塩だけを使用し、無添加の生ハムを作り続けていらっしゃる、『セラーノの生ハム』です。日本で初の無添加の生ハムで、豚の味も旨味が濃くて美味しく、こだわりの安心安全な生ハムです。
創業者の渡島博さんは日本の生ハム文化の第一人者として有名な方で、30年以上前にスペイン・マドリードに訪問され、生ハムの産地で有名なハブーゴで食べた生ハムに感動されて以来、日本で工房を立ち上げ、自分の手で最高の生ハムを作ろうと、行動に移されました。
現地の生ハムは、塩辛く硬くなく、脂に旨味がある絶品であったそうです。
こだわりの製法
塩だけで作る生ハムは非常に難しく、特に日本の高温多湿な気候で作るのは温度・湿度の管理が難しく失敗の連続でしたが、試行錯誤の結果、乾燥熟成肉製造として製造許可を取得し、本格的に添加物不使用の高品質の生ハム製造販売を稼働させていきました。
使用する国産豚は、「南州ナチュラルポーク」や「梅林豚」など、数社から良いものを選定し、産地や育て方などにこだわった豚の後ろ足のみを使用しています。
こだわりの豚は、その後、モモ肉を骨から外し、塩漬けの工程へ。温度管理された冷蔵庫で10日間ほど塩漬けされます。
その後、塩抜きをし、約2カ月ほどの低温熟成へ。この段階で豚肉の表面には、青カビチーズのようにカビが付着し、発酵が始まります。 低温熟成が終わると約2年〜3年の長期熟成の期間へと移ります。この乾燥・熟成させる過程が難しく、添加物や防腐剤などを使わない製法だと、どうしても、虫や腐敗の問題が出てきてしまうそうです。また、運動不足のブタを使用すると、乾燥の段階で肉がスカスカになってしまったり、腐敗しやすくなってしまうそうです。
尾島さんは、この問題を、徹底した管理と技術で解決し、長期熟成を可能とし、日本で初の、無添加・国産「生ハム」の製造に成功しました。
今では、生ハムつくりの過程で防腐剤などの添加物が使用されるのは当たり前になってきていますが、塩漬けと自然熟成のみに徹した作り方は、世界でもトップレベルの技術を持った存在となっています。
尾島博さんの作ったこだわりの無添加・国産の「生ハム」をぜひ一度味わってみてください。