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鴨肉はヘルシーで栄養たっぷり。滋味あふれる独特の歯ごたえとコクが魅力

食肉として流通している鴨肉には、真鴨、合鴨、アヒル、ガチョウの4種類があります。鴨肉は臭い、硬いというイメージをもっている人もいるかもしれませんが、適した調理法で食べれば臭みを感じることなく、独特の歯ごたえと柔らかさ、コクのある旨味を堪能することができます。
日本で一般的に提供されている鴨料理の多くは「合鴨」を使ったものです。
今回は鴨肉の種類と特徴を説明した上で、鴨肉の部位やおすすめの調理法などを紹介していきます。

鴨肉の種類について。真鴨・合鴨・アヒル・ガチョウの違い

真鴨

オスは全長約60センチ、メスは約50センチ。翼を広げた大きさは90センチ前後。メスは全体的に褐色で黒褐色の斑がありますが、オスの体は灰白色で頭部が光沢を帯びた美しい緑色をしているのが特徴。 食肉としては野生種として取り扱われ、猟が解禁になる11月から3月にかけてが旬です。(東北地方は5月頃まで可能)特に12月から2月、晩秋から真冬にかけてが、最も脂がのっていて美味しい時期になります。

合鴨

野生の真鴨と家畜化されたアヒルとを交配させた雑種のこと。アヒルの肉が高脂肪で薄く、日本人の口に合わなかったため、その肉質を真鴨に近づけようと改良したのが合鴨です。

一般的に流通している鴨料理のほとんどが合鴨肉で、アヒルの肉よりも野性味があって真鴨よりも肉が柔らかいといった特徴があります。肉厚で程よく脂ののった味が人気です。

合鴨にも様々な品種がありますが、国内流通量が最も多いのが「チェリバレー種」。北京種をもとにイギリスのチェリバレー社で品種改良された品種で、甘味とコクのある脂身と繊細な味わいが特徴です。

アヒル(家鴨)

野生である真鴨を家禽化したものが「アヒル」です。

そのため漢字で書くと「家鴨」と表記されます。今から3千年ほど前に中国やヨーロッパの国々で飼いならされたのが始まりで、肉や卵をとるために様々な品種改良が成されています。

ガチョウ

日本ではあまり馴染みがありませんが、ドイツや中国などではよく使われている食材で、特に台湾では庶民的な料理として親しまれています。

噛み応えのある肉質、ジューシーで濃厚な味わいが特徴です。 高級食材として知られる「フォアグラ」は、ガチョウやアヒルに強制的に給餌を行い肥大化させた肝臓のことです。

鴨肉の栄養成分・効能

鴨肉には脂肪酸の含有バランスが魚類に似ているという特徴があります。そのため鶏肉よりも低カロリーですが、健康と美容に欠かせないビタミンB群をたっぷり含んでいます。特にビタミンB2は鶏肉の4倍近くあり、コラーゲンも豊富。

また、ミネラル成分にいたっては、鉄が鶏肉の約10倍、銅は約9倍あります。 鴨肉は栄養バランスが非常によく、皮膚や関節の健康維持、疲労回復や貧血予防などが期待できる健康食材といえるでしょう。


鴨肉の主な部位とおすすめの料理法

  • モモ

胸肉よりも味が濃く、弾力に富んでいます。高温で調理すると硬くなってしまうので、低温で調理することが重要。 フレンチの代表的な調理法「コンフィ」がおすすめです。 「コンフィ」は冷蔵庫のない時代に肉を保存する技術として発達した調理法で、オイルにつけた肉を65度~75度の温度を維持してじっくり加熱します。

▼参考・おすすめレシピ

  • ムネ(ロース、フィレ)

ロースというと、牛や豚では背肉のことになりますが、鴨の場合は胸肉がロースやフィレとして扱われます。

おすすめは合鴨のロースト。低温で火入れしてから食前に皮をパリッと焼き上げるか、もしくは先に皮目をこんがりと焼いてからオーブンなどで加熱します。 ローストした鴨肉は、薄くスライスして。さっぱりほろ苦いオレンジソースがよく合います。

▼参考・おすすめレシピ

  • 鴨鍋、鴨すき、鴨しゃぶ、鴨南蛮など

煮込みすぎると硬くなってしまうので要注意です。 鴨南蛮は、治部煮のように片栗粉をまぶして調理するのがポイントです。トロリとして美味しくできます。ネギとの相性抜群です。

▼参考・おすすめレシピ

  • ササミ

鶏のササミと違い、鴨のササミは赤い肉色をしています。 栄養的には鶏と同じように脂肪分がほとんどなく、高たんぱくでヘルシー。その味わいは鶏よりもマグロの赤身に近いかもしれません。

▼参考・おすすめレシピ

鴨肉の下処理の仕方

1.冷凍の鴨肉は、真空パックのまま流水で解凍します。(解凍時間を短くしてドリップを少なくするため)


2.解凍できたらパックから取り出し、キッチンペーパーで表面のドリップをよく拭き取ります。脂部分が柔らかいと処理がしにくいので、冷蔵庫で一度冷やしておきます。


3.脂が冷えて固くなったら、肉側の面を上にしてまな板に置き、肉の端に被さっていたり、外にはみ出ている余計な脂や皮を包丁で切って取り除きます。


4.肉にある筋(薄くて白い膜のような部分)を、包丁で削いで取り除きます。


5.皮側にひっくり返し、羽の残りがあったら毛抜き(骨抜き)で羽を引き抜きます。羽の根元には管のようなものがついているので、それも残さず取り除きます。羽がなくてもこの部分が埋もれている場合があるので、残っていないか手で触って確認し、取り残しのないようにします。


6.皮の下には分厚い脂があるので、余計な脂分が落ちやすいよう、皮に斜めに包丁で切れ目を入れます。(焼いたときに皮が縮んで反り返るのを防ぐ意味もあります)※脂部分が厚すぎる場合は、包丁で削いでから切れ目をつけるとよいです。包丁の刃が肉まで入らないよう気をつけましょう。

▼参考サイト
プロレシピブログ 艸SOUの作り方 様

鴨肉の保存方法

生の鴨肉を仕入れた場合で、すぐに使用できないときは、余分な水分(ドリップ)をキッチンペーパーで拭き取り、ラップでぴっちりと包んでジップ付きの保存袋などに入れて冷凍保存します。

解凍する際は、肉を直接濡らさずにできるのであれば、流水をあてて極力短時間で解凍したほうがよいです。それが無理な場合は、雑菌が生じないよう冷蔵庫の中で解凍してください。 ※一度解凍した鴨肉をそのまま再冷凍することは避けましょう。

解凍した鴨肉は、蒸すなどして火入れしてから、ラップに包んで同じように冷凍してください。

国産鴨肉の販売元、仕入れ先

「京鴨」京鴨ドットコム

毎年英国チェリーバレー社から種用初生ヒナを直輸入し、専用種鴨農場にて孵化させた健康なヒナを肥育。清潔な飲み水の給与と最良の専用飼料での育成、徹底した衛生管理のもと生産されています。

「サロベツ合鴨」安心生産農園

安心生産農園は、北海道の知的障害者更生施設の職員さんが地域生活を希望している利用者の方々の希望をかなえるために構築した事業所で、有家禽複合型農業を中心に行っています。昭和49年に開園し、合鴨飼育は昭和51年から。 抗生物質を含まない配合飼料で飼育された合鴨で、品種はチェリーバレー種。 飼育から加工・販売まで一貫した体制で生産されています。モモやロース、ササミはもちろん、心臓や砂肝なども販売。ブロック状のものからスライスしたものまで、幅広い品目が購入可能です。

「岩手がも」株式会社アマタケ

岩手がもは、鴨特有の臭みを抑えた食べやすい鴨肉です。三陸の大自然に恵まれた田野畑村で、のびのびとした環境で育てられています。足が傷つかなよう鴨小屋の床にはもみがらを敷き毎日補充。抗生物質や合成抗菌剤は一切使わずに、とうもろこしやマイロなど自然由来の飼料で育てられています。

▼「とりつう株式会社」にて購入可能です。

結びに

鴨肉を美味しく食べるには、加熱しすぎないことが重要です。鴨特有のにおいが気になる人は、香辛料を強めにして、ハーブを上手に使ってみましょう。コクのある鴨本来の味をぜひ味わってみてください。

<参考サイト様>