夏が旬の食材紹介!『トコブシ』はアワビよりも美味しい!?

夏が旬の食材紹介!『トコブシ』はアワビよりも美味しい!?

『トコブシ』は夏が旬の食材です?

アワビに見た目が似ていること、サイズが小型であること、この2点からアワビの子供と勘違いされていたり、一段劣る食材として扱われていたりする、少々不幸な貝です。
そんな『トコブシ』ですが、実は”アワビよりも美味しい!”という声もあるくらいの隠れた逸品食材なのです。
知らない方もおせち料理などで一度は味わったこともあるかもしれません。
『トコブシ』の秘められた魅力をアワビとの違いに注目しながら、ご紹介していきたいと思います。

 

『トコブシ』の由来

『トコブシ』の由来

『トコブシ』というカタカナ表記が広く一般的なので馴染みがありませんが、漢字表記は『床伏』『常伏』などと書きます。
1843年に武蔵石寿が記した貝類書『目八譜(もくはちふ)』に「”床”は浅い場所、”ふし”は小さい」という意味合いで記載された一文が名前の由来といわれています。
他にも、「”常”に岩のくぼみに”伏した(隠れた)”貝」ということで『常伏』になったという話もあります。

 

『トコブシ』のいろいろな呼び方

『トコブシ』のいろいろな呼び方

多くの魚介類と同じように、『コブク』『セツムシ』『センネンゴ』『コアワビ』をはじめ、書き切れないほどの様々な呼称が地域によって存在します。
その中で、一番有名なのは、徳島県や高知県など広い地域で呼ばれている『ナガレコ(流れ子)』でしょう。岩の表面を流れるように這う様子が由来のようです。
また、『フクダメ(福溜)』の別名もあり、その字面からおせち料理に縁起物として用いられています。

アワビに似た貝お近くのスーパーや鮮魚店で聞き慣れない名前でアワビに似た貝が売られていることもあるかもしれません。その際は、店員さんに声を掛けてお話を伺ってみるのも一興です。

『トコブシ』の見分け方

外見での見分け方で重要なポイントは3点あります。
1つ目は、サイズです。アワビの殻長は20~25cm、『トコブシ』の殻長は7~12cmと大きさに開きがあります。
『トコブシ』の見分け方
2つ目は、殻穴の数です。アワビの4~5穴に比べて、『トコブシ』の殻穴は6~9穴と多くあります。ちなみに穴の形状にも違いがみられ、『トコブシ』はアワビのように煙突状ではありません。
『トコブシ』の殻穴は6~9穴と多くあります
3つ目は、身の形状です。アワビは厚い唇のような見た目ですが、『トコブシ』は平べったい形をしています。
アワビは厚い唇のような見た目ですが、『トコブシ』は平べったい形
この3点を覚えていれば、小さいアワビを『トコブシ』と間違えて買うこともありませんし、逆もしかりです。

『トコブシ』の旬と産地

『トコブシ』が一番美味しくなる時期は5~8月、晩春から夏といわれています。
産卵期である9月に向けて、コンブやワカメなどの褐藻類を食べ、その身に栄養をたっぷりと蓄えています。
旬ではありませんが、消費量・流通量がもっとも多くなるのは、おせち料理に向けて料理・加工される12月です。
水揚げ量から考えると高知県や徳島県など四国が日本一の産地と呼ばれており、醤油、砂糖、みりんで煮付けた缶詰に加工され、通販などで全国へ販売されています。
『トコブシ』が一番美味しくなる時期は5~8月
基本的に『トコブシ』は北海道南部から九州にかけての太平洋及び日本海沿岸部に広く生息しているため、どこでも採ることができる身近な食材です。
前述した旬の時期であれば、近場の漁師町で直接買うこともできますし、新鮮な『トコブシ』を使ったお寿司も味わうことも可能です。
『トコブシ』は北海道南部から九州にかけての太平洋及び日本海沿岸部に広く生息

『トコブシ』の気になる味は?

『トコブシ』の気になる味は?
アワビは、固くコリコリしていて、甘みが強いのが特徴です。一方の『トコブシ』はアワビより柔らか!
『トコブシ』の味はアワビに劣ると一般的には言われていますが、大差ないという意見もあります。
実は、味の違いがわかる人は意外と少ないのだとか……。
アワビと比べると、身が柔らかく、熱を加えても硬くなりにくいことから、煮付けたり蒸したり焼いたりと、生食よりも火を加えて料理することが多いです。ただし、加熱しすぎると固くなってしまうため注意が必要です。
アワビのほうが海の深いところで生息している分、風味や甘みが強いとされていますが、甘みに関してもそこまで大きな違いはありません。
風味は若干劣りますが、キモのえぐみも軽減されていますので、貝類が苦手な方も食べやすいのが特徴です。

気になる『トコブシ』のお値段は?

アワビのほうが海の深いところで生息している
『トコブシ』は一昔前までは、磯などで普通に採取することができていましたが、近年では数の減少に伴ない、価格はアワビほどではありませんが高騰しています。
2018年7月の築地市場における『トコブシ』の平均卸価格は1キロ当たり3,625円。6月とほぼ変わらず、昨年の7月と比較すると7%ほど高い状況です。
トコブシの主な産地は徳島県や高知県、三重県などで、稚貝の放流も行われています。
しかし、国内での漁獲量だけでは需要に追い付かないので、主に台湾からの輸入品も数多く流通しています。
小売価格としては1kg当たり5000~6000円ほどで販売されていることが多いようです。
ちなみに、2018年7月の築地市場におけるアワビの平均卸価格は1キロ当たり8,950円でした。
やはり、アワビって高いですね…。
だからこそ、アワビと大差ないと言われる『トコブシ』って魅力的ですよね!

どちらも旬である夏に、『トコブシ』とアワビの食べ比べもいいかもしれないですね。
最高級食材であるアワビに負けない美味しさ、ほどよい食感はあなたを虜にしてくれること間違いありません。
是非是非、ご賞味ください!

貝の王様『アワビ』

貝の王様『鮑(アワビ)』