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逸品「食材」

「トゲクリガニ」は青森の花見に欠かせない食材の1つ!濃厚な味噌が病みつきになる!

トゲクリガニ

トゲクリガニをご存じですか? 青森県の陸奥湾に生息している、毛ガニと同じクリガニ科の仲間です。 毛ガニ以上に「濃厚でクセになるカニ味噌が味わえる」絶品ガニといわれています。 ここでは、まだまだ知られていない、おすすめの調理法や栄養成分など、トゲクリガニの魅力を紹介していきます。

トゲクリガニとは?

トゲクリガニ

青森県を中心に愛されるトゲクリガニですが、県外ではあまり出回らないため知らない方も多いかもしれません。 まずは、トゲクリガニがどんなカニなのかをご紹介します。

トゲクリガニは毛ガニの一種

トゲクリガニは毛ガニと同じエビ目カニ下目クリガニ科の分類されるカニの一種です。 毛ガニは北海道の沿岸(季節毎に漁獲場所が異なる)が主な産地ですが、トゲクリガニは北海道西岸から津軽海峡を経て東京湾までと生息地域が広いのが特徴です。

毛ガニといえば、塩茹でや焼き物、缶詰などに利用されていますが、タラバガニやズワイガニと比べると食べる部分が少ないというデメリットがあります。

しかし、その分カニミソの量が多く、カニ本来の旨味が凝縮されているのが特徴です。さらに栄養成分をみてみると、アミノ酸が豊富です。そのため、健康な身体づくりをしたい人にはとくにオススメの食材です。

青森のお花見では欠かせない食材

トゲクリガニの旬は4月下旬から5月です。 青森県の桜のシーズンと合致しており、地元ではお花見に欠かせない食材として親しまれています。

桜時期に旬がくることから、青森県民はトゲクリガニが出回ることで季節の到来を感じるそうです。 花よりダンゴならぬ、花よりトゲクリガニですね。

ちなみに青森県が生んだ文豪「太宰治」もトゲクリガニが大好物なんだとか。 小説「津軽」の中にも登場しています。 県外では中々出回ることがないため、多くの観光客が桜とトゲクリガニを求めて青森県に訪れているそうです。

JR駅の駅長にまで出世したトゲクリガニ

青森県東津軽郡外ヶ浜町にあるJR蟹田駅では、2012年の5月からトゲクリガニの「津軽蟹夫」(つがるかにお)が観光駅長に就任しました。ゆるキャラかと思われるかも知れませんが、実際に生きているトゲクリガニです。

その1年後に観光駅長から勇退していますが、蟹田駅に蟹の駅長が居たことは蟹田地区をはじめ、東津軽界隈では有名な話なのです。

トゲクリガニの最高の食べ方・料理法

トゲクリガニ_2

トゲクリガニを実際に食すために、最高の料理法は知っておくべきです。実際にどの様な楽しみ方があるのかをご紹介します。

新鮮さが勝負の「活茹で」

トゲクリガニの食べ方は「茹で」が最もオススメです。

地方発送を行う際、基本的には活きた状態で発送されます。理由としては、カニは死んでしまうと味が落ちるのが早くなるためです。 最大限に味わいを残すためにも、少し残酷な気がしますが活きた状態で茹でる「活き茹で」がトゲクリガニを美味しく頂くコツです。

トゲクリガニの茹で方

トゲクリガニの茹で方は毛ガニの茹で方とほぼ同じです。

  1. カニの体の表面をたわしなどでこすり汚れを落とす
  2. 茹でる際に脚が取れるのを防ぐために輪ゴムで脚と体を固定する
  3. 鍋に水を入れ3%の塩(1Lあたり30g)を加える
  4. 水の状態で甲羅を下にしてカニを投入する
  5. 沸騰してから10分~15分ほど茹でて完成

ポイントは「鍋に入れる塩の量」と「水の状態からカニを投入すること」です。塩が少なすぎると、カニから旨味が茹汁に溶け出してしまいます。

また、沸騰したお湯に活きたカニを投入すると、命の危険を感じたカニは脚を自切してしまい、切り口から旨味が逃げ出します。

そのため、塩の量に注意した上で水温が低い状態から鍋に投入してください。

日本酒との相性は抜群

トゲクリガニは、タラバやズワイガニと比べ可食部分の「身」が多いカニではありませんが、カニ味噌が豊富です。 濃厚なカニ味噌の味は日本酒に合い、大人向けの食材だといわれています。 もしくは甲羅にお酒を入れて呑むのも乙な愉しみ方です。

ふんわりとしたカニ味噌の甘い香りと日本酒の辛みの組み合わせは、肴としても大変人気があります。 中でも、トゲクリガニに合わせるお酒として人気なのが西田酒造の「田園」。

青森の地酒でもあり全国的にファンも多い「田酒」はトゲクリガニが生息する陸奥湾沿岸に本社を構えています。 田酒は深みのある辛口と飲んだ後に生じる、引っかかるような感じが一切ないすっきりとした後味が特徴の日本酒です。

トゲクリガニ+田酒は、青森県民にとっては春の風物詩ともいえます。

トゲクリガニならではの珍味はシンプルな味で

地元でもあまりお目にかかれない珍味が内子、卵です。どちらもメスの漁獲が禁止されている毛ガニでは絶対に味わえないため、トゲクリガニでしか味わえない珍味なのです。

とくに内子はメスの中でも100%入っている訳ではないうえに、個体によって量にバラツキがあるため、中々市場に出回らない珍味として重宝されています。

素材をそのまま味わう茹でもオススメですが、塩漬けにするとより風味が引き立ち、美味しく味わえます。


トゲクリガニが食べられる場所

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青森県内周辺では季節限定で扱っている料亭やレストランがあります。 やはりオススメは生息地である陸奥湾周辺の食事処です。 水揚げされてからすぐに茹でられていることもあり、新鮮なトゲクリガニを堪能できます。

さとや

出典元:浜料理 酒肴さとや公式ホームページより

地元で人気の海鮮居酒屋。新鮮な魚介類を揃えたお店でトゲクリガニも味わえます。 コースにも含んでいるので、青森の海の幸が堪能できそうです。

店名 さとや
住所 青森県青森市橋本1-1-6 リーストラクチャー1F

居酒屋おさない

出典元:hotto pepper[居酒屋おさない]

「まるごとトゲクリガニ」はなんと1匹¥300!! リーズナブルですが、まるごとなので甲羅酒も楽しめます。運が良ければ希少な内子も食べれますね。

住所:青森県青森市新町1-1-17-2F

トゲクリガニが仕入れられる場所

※トゲクリガニのイメージ

シーズンを迎えると青森県内のスーパーで手に入るトゲクリガニですが、より新鮮なもの、また県外で仕入れる事ができるのか気になるかと思います。 ここでは新鮮な仕入れ先と地方への発送元をご紹介します。

朝市直売

出典元:出典:青森のうまいものたち

青森県の野辺地町漁協では、毎週土曜日朝7時半〜9時まで「朝市直売」を開催しています。 1人一袋の制限がありますが、サイズによって5〜6パイ入って¥1000とお買い得です。

何より新鮮なのが嬉しいですね。 通年開催という事ですが、月により開催日が変更になる事があるので注意が必要です。 また、電話での全国発送が可能なうえ、少量でも対応してくれます。

住所:青森県上北郡野辺地町米内沢78

金沢商店

出典元:海の幸産直所

店頭での販売はもちろん、こちらのお店では全国への発送を行なっています。

一般のお客様から一流料理店まで幅広い取引を行いながらも、新鮮なものにこだわるため時間指定の配達は受けていないそうです。 獲れたものをすぐに届けたいというお店の想いを感じますね。

トゲクリガニの発送は1月〜6月で、新鮮なものが揃い次第送ってくれるようです。

結びに

『トゲクリガニ』は濃厚なカニ味噌が味わえる青森の名産品です。青森市民にとっては欠かせない春の食材。

春の訪れとともに見た目にも色艶やかな『トゲクリガニ』を使ってみてください。


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